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コラム

【2025年版】中小企業のCRE戦略とは? 中小企業にとって企業価値を高めるCRE戦略を詳しく解説します。

2025/01/12

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中小の企業価値を高めるものには、例えば、事業の収益性の向上、投資効率の最適化、財務状況の見直し、無形資産の把握・活用などがあります。中でも投資効率の最適化を図る上では企業の不動産の活用(CRE戦略)が重要なポイントになります。ここでは、このCREについて詳しくみていきましょう。

⬛︎ CREとは「Corporate Real Estate」の略

不動産投資は保有不動産を第三者に貸し出しして賃料を得るということが基本ですが、中小企業の経営環境が厳しくても賃料を稼げる不動産があれば収益を確保できます。また、万一、本業で大きな損失が出た場合でも保有不動産を売却して損失を穴埋めすることができます。したがって、CRE戦略は企業価値を高めるうえでは重要であることがわかります。加えて、売却した不動産で新たに賃貸用の不動産を購入することも可能ですから、より収益を上げることができれば健全な企業経営ができます。

具体的なCRE戦略としては、現オフィスを見直しして縮小し、余剰になったオフィスを第三者に貸し出しするとか、遊休地の活用として賃貸住宅や老人ホームなどの高齢者施設などを建設することで長期安定の賃料収入を確保するということが可能です。

また、本業の業績悪化で決算内容が芳しくないと見込まれた場合、保有不動産を売却して本業の赤字を埋めて企業価値を維持するという戦略も取れます。

つまり、企業経営上、CRE戦略がうまく行けば、本業が何らかの不利益を被っても企業自体は維持できることになります。

CRE戦略を推進するにあたっては企業の保有不動産の価値を知る必要があります。

不動産の価値を正しく知るためには、専門家による適正評価手続き、物件精査を行うことになります。したがって、こうした手続きはCRE戦略を進める上では重要であると言えるでしょう。

CRE戦略は単に企業保有不動産の賃貸や売買だけとみられがちですが、企業のブランディングイメージの向上にもつながります。

⬛︎ CRE戦略を推進するには?

CRE戦略を推進するうえで、まずはCREの再評価を行い適宜適切に整理する必要があります。企業における最大の固定資産はCREであり、CREは維持コストがかかる重たい資産であることは間違いありません。そのため、維持コストがかかる不動産についてはスリム化していく必要があります。そうすることで利益の向上や生産性の向上につながります。

例えば、生産拠点の統廃合や散在する拠点の集約化を行うことで長期的な維持コストの削減が可能になりますし、低稼働の不動産があれば売却してキャッシュ化することでキャッシュフローを改善することができます。

また、CRE戦略では、本業以外の収益の柱を構築することでリスク分散・軽減が可能です。再評価した不動産を公共施設に転用したり、売却していったんキャッシュ化したりして新規事業の資金としても活用できます。そうすることで本業中心から長期安定の収益が確保できる賃貸事業や新規事業を構築することができ、多方面にわたる企業経営が可能になります。

近年では事業を継いでくれる子供や親族がおらず、従業員が後継者になる場合もあります。後継者には事業を引継ぎたいと思わせる魅力的な企業でなければならないので、CRE戦略で不動産活用が適切に行われていれば、企業価値は上がり事業承継時の評価は高くなります。

CRE戦略の中には新規のCREを取得する場合もあります。事業が成長している場合にはCREの調達が必要になり、新設オフィスは賃借なのか所有なのかなど、最適なCREを選択することになります。

また、昨今のパンデミックや戦争といった予測不能な事態になった場合には本業に大きな影響を与える場合があります。そんな場合、資産価値の高いCREを売却することで、特別利益として計上し、経営危機を乗り切る保険にできます。

⬛︎ 具体的な中小企業のCRE戦略とは?

中小企業では業種によっては相当な不動産を保有している場合があります。

また、不動産評価の高い土地を店舗やオフィスとして保有している場合もあります。そうした不動産を自社のみの利用だけでは稼げる不動産にはならないものです。

そうした状況で、ではどうすればいいのでしょうか?

例えば、工場や倉庫などすべてのものが充分に利用できていないのであれば、その不動産を稼げる不動産に換える必要があります。土地を貸して地代家賃をもらうとか自社で賃貸マンションを建築して家賃収入を得るなど、不動産活用には様々なメリットがあります。

都内の路面店舗を持っていた物販業のオーナーが物販の将来性が見えないということで、10階建ての賃貸マンションにして年間数千万円の賃料収入を得た事例もあります。

こうした背景から、中小企業のオーナーとしては不動産活用で事業転換を図って収益を得る、つまり、稼げる不動産活用を行うことです。これが中小企業CRE戦略と言えます。

⬛︎ まとめ

ここまで中小企業のCRE戦略についてみてきましたが、CRE戦略は、中長期的に企業価値を向上させ、経営を安定させる重要な経営戦略であることがわかります。企業にとって「ヒト・モノ・カネ」は重要な経営資源でありますが、中でも「モノ」である不動産は適切な運用と戦略の実践によって、中長期的な企業価値の向上が見込めるものです。特に、中小企業にとってCRE戦略はどんどん取り組むべきです。その効果は大きいものがあり中小企業が抱える問題を解決してくれる経営戦略です。

しかし、不動産を専門に管理する部門を有する中小企業は少ないものです。したがって、CRE戦略を効果的に実践できるように不動産活用の専門家に相談・依頼するのもCRE戦略のひとつでしょう。

 

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